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「世界の紛争地で起こっていること」(白川優子×望月衣塑子)

2018年08月31日
トークイベント
「世界の紛争地で起こっていること」(白川優子×望月衣塑子)
に行ってきました。

「紛争地の看護師」の著者 国境なき医師団の看護師 白川優子氏。
聞き手は、白川優子氏本人の御指名で、官邸記者会見で妥協ない質問を繰り出す、東京新聞記者 望月衣塑子氏。
官邸記者会見の映像で皆、一度はこの声を聞いたことがあるはず。

7年間で17回派遣された紛争地の医療現場で目の当たりにした次々と運ばれてくる負傷者。

患者の身体から取り出された銃弾、爆弾の破片などの写真。まるでスナップ写真のように紛争地の日常が切り取られているように見えます。

手術は成功しながら、輸血する血液が確保できずに、息を取り戻せなかった少女。
シリアでは、住民が血液を提供するため血液に困ることはなかったそうです。シリア政府は国境なき医師団の活動を認めず、入国も禁止しているため、公のルートで血液を手に入れることは出来ない中で、国境なき医師団の活動に市民が協力しているという悲しさに差し込む一筋の光。

アルカイダ掃討を目的とした無人爆撃機(ドローン)による空爆で毎日何人も運ばれてくる一般市民の負傷者。
ここで、兵器問題を取材している望月氏から、この無人爆撃機の空爆による死者の95%は民間人で爆撃の目的であるテロリストは5%という、アメリカのインターネットメディア”ザ・インターセプト”の報道を紹介。

ガザで行われるイスラエルの攻撃。外へ出られず、人口は増え、高学歴者も多い中で世界でも最も高いレベルの失業率。その一方、イスラエルのホロコーストミュージアムで目にしたユダヤ人に対して行われた迫害の歴史。
ここで、望月氏から、先日川崎市で、イスラエルの企業による防衛技術(つまり武器)見本市が開かれたことコメント。この企業の海外での見本市は、ロシアでの開催があるだけで、日本を含めて二カ国だそうです。
ガザで日々示される武器の威力…。

白川優子氏は、看護師として外科手術、救命救急の現場で経験を積んでいたため、派遣先が紛争地になりました。疫病などの専門家は、また別の派遣先。本人の技能、経験と派遣先をマッチングする部署があり、本人の希望ではないそうです。

白川優子氏は、7才の時にテレビ番組の最後に「協力 国境なき医師団」という文字が写ったのを見たのが、国境なき医師団との出会いで、この道に進むきっかけだったそうです。
途中、迷うことはありながら、その都度自分の強い思いに促されて7才からの夢であった国境なき医師団に参加して、活動を続けているそうです。
望月氏曰く、「本を読み、(そして今日実際にお会いして、)白川氏と新聞記者である自分の共通点は思いの強さだと思った。」
私は、心の中で「志」と感じました。

志といえば、最後の30分にもうけられた質疑応答の時間では、志の高い参加者からの質問が続きました。
免疫学関係の仕事をされている方、救命センターの看護師、危機管理の仕事をしている方、将来助産師として国境なき医師団に参加したいという学生。こういう方達がいる場に立ち会えたことも今日の大きな収穫でした。

毎日運び込まれる患者に対していつの間にか業務的になってしまうという、救命センターの看護師の悩みに対して、
業務的になってしまうことがあるのは否定できないとしつつ、自分は患者さんの名前を呼び、他の誰でもないかけがえのない個人として接するようにしていると答えていました。向こうの人たちの名前は大変なんですけどねと笑いながら。そして、紛争地では看護も思うに任せないでジレンマを感じることが多いが、手を握るだけでも看護なのではないかと思えるようになったとも話してくださいました。

凄惨な話の中で白川氏がときおりこぼす笑み。反って、抜き差しならない現実を感じました。
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