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「呉将軍の足の爪」

2012年01月29日
今年最初の一ヶ月もあと僅か。

観たい舞台を全て観ることは到底叶わないながら、一つ一つ大変な力を注いだ舞台に出会う機会をくださった皆様に感謝します。

そのなかでもとりわけ印象深かったのは中高生が出演したリーディングです。

「呉将軍の足の爪」作 朴祚烈(パク・ジョヨル) 翻訳 石川樹里
演出 中野志朗(文学座)
作曲・歌唱指導 坂本朗
出演 (豊島区内)十文字中学・高等学校演劇部、立教池袋中学・高等学校演劇部
日 1月22日(日) 
場所 あうるすぽっとホワイエ
日韓演劇フェスティバル 韓国戯曲ドラマ・リーディング

真っ直ぐな気持ちが、気負い無く、深く、のびのびと、声になり、言葉に載せてホワイエに拡がりました。
台詞の呼吸がそのまま歌へ。より力強く。歌う理由が伝わる歌。目指したい役者の歌。
学校指定のジャージ上下と体育館履き。それが却って気持ち良く、想像を自由にさせてくれました。
演出の中野志朗さんと生徒たちがとてもよくかみあっていました。
中野志朗さんは昨年11月『雨のワンマンカー』でお世話になりました。

作品は、韓国の寓話の世界。
呉将軍は人の名。将軍ではありません。貧農の小作人。牛を追い、母と共に、恋しい許嫁を力に、幸せに暮らしています。そこへ呉将軍宛に召集令状が届きます。母、許嫁、牛に別れを告げ軍に入ります。ところがそれからしばらくして、母がひとり残る呉将軍の家に再び召集令状が届きます。先の召集令状は、実は同じ村に住む同姓同名の人へのものだったのです。そのことから、更にいくつかの出来事が重なり、呉将軍はスパイと見なされ銃殺されてしまいます。反論の許されない理不尽な軍の世界。
遺骨の代わりに呉将軍の髪の毛と足の爪の入った骨箱が呉将軍の家に届けられます。布に包まれた骨箱を前に母、許嫁、牛がそれぞれ嘆きの声を上げ幕が降ります。

女の子が演じた牛が、最後に「もおぉぉぉぉ」と長く曳く嘆きの鳴き声が耳に残っています。

こういう風に演じたい。

昨年一年間に観た舞台と合わせても、最も印象に残る舞台の一つとなりました。
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